葬式 文例 香典

故人との最後の別れ

◆最後の愛面と別れ花

 葬儀・告別式が終わると、葬儀社の手を借りて、近親者や友人が棺を祭壇から下ろし、頭が北を向くように置きます。棺のふたをあけて、遺族、近親者、親しい友人、知人など、故人と縁の深い順に最後の対面をします。

 別れに際しては、祭壇に供えられていた生花の花の部分をつんだものを棺に入れ、遺体のまわりを花で飾ります。これが「別れ花」です。このとき、故人の愛用品や、愛読書、日記などを棺の中に入れることもあります。なお、めがねなど、燃えづらい金属製やガラス製のものは火葬のときに遺骨を傷つけるおそれがあるので、別の容器に詰め、遺骨と一緒に埋葬します。

 最後の対面が終わると棺にふたがされ、くぎが打たれます。火葬場で火葬に付する前に、棺についている小窓から、もう一度、故人の顔を拝むことができますが、故人の姿を見るのはこれで最後になるので、周囲に遠慮せずに、存分に別れを惜しみます。

◆ くぎ打ちの儀式

 最後のお別れがすむと、「くぎ打ちの儀式」が行われます。これは棺のふたに葬儀社が半分打ち込んだくぎを、喪主、遺族、近親者、友人、知人の順に、こぶし大の小石でコツコツと軽く2回ずつたたいていくものです。最後は葬儀社の人にまかせます。

 人が死ぬと七日目には「三途の川」を渡るといわれます。くぎ打ちの小石は、三途の川にある河原の石を意味し、死者が無事に三途の川を渡り、浄土へたどりつくようにとの願いを込めて行われるとされています。

 ただし、くぎ打ちを行わない地域や、宗派もあり、くぎ打ちを必要としない棺もあります。

◆出棺

 葬儀社の人によって、くぎを完全に打ち込んだら、棺を霊柩車まで運びます。これを出棺といいます。遺族、近親者、親しい友人の男性6人ほどの手で棺をかかえ、関東では遺体の足を前に、関西では頭を前にして運びます。

 式場から霊柩車まで離れているときは、喪主が位牌を持って先頭に立ち、喪主に次ぐ遺族が遺影を持ってつづき、棺を先導します。

 かつては死者の霊が戻ってくるのを妨げるために、様々な風習がありました。

 現在でも、自宅から出棺する場合、通常の出入り口である厳寒を避けて、縁側から運び出すところもあります。故人が使っていた茶碗を割るなどの風習がある地域もあります。

 

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